昨年の小布施研修旅行がまち研三美会設立のきっかけとなった。
その時は、三浦市に景観法ができるための美しい魅力的な町つくりの参考モデルとして小布施に行ったのだった。
研修にあたってはハセガワさんの事前の周到な旅の企画力のおかげで唐沢元市長の熱いお話を聞かせていただいたり小布施の町の景観の取り組みの実際を案内して見せていただいた。
私達が心打たれたのは美しい街並みよりも トップに立つ者の信念に基づいた揺るがない情熱とビジョンと戦略と行動力だった。
小布施から帰った後も私達は飽きることなく小布施を語り、そして三浦を語った。
それは どうしたら三浦が良くなるだろうか、という話し合いだった。
三浦市が抱える500億円の借金をどうしたらよいのか考えた。
5万人の三浦市で500億円の借金は赤ちゃんからお年寄りまで一人100万円の借金を背負っているということを意味する。
ハセガワさんはまち研三美会の会長となった。
二回目の小布施研修旅行を企画するにあたって、ハセガワさんはそのあと二度小布施に足を運び、資料を小布施から取り寄せてコピーして膨大な資料を作成した。そこで次第に浮き彫りにされてきたのは、市政、財政の徹底的な透明性と町民、町が一体となって討論に討論を重ねて積み重ねてきた見事な結果だった。小布施は毎年200ページにわたる細かくも明快な予算報告書を全戸無料配布して税金の使い方を全町民に明らかにして税金の使い方を皆で目を通して話し合う。
比較することで三浦市の市政の不透明さを痛感することになった。
第二回目の小布施視察も素晴らしい旅となった。
現市村町長の話は二時間半にもわたり小布施ヴィジョンは歴代町長に踏襲されて成長し続けていると感じた。
全てを明白にしなければ議論することもできない。
議論するということは行政に参加できるということである。
三浦市はどうだろう。
三浦市の借金は575億円に膨れて人口は47000人に減った。
つまり三浦市の借金は一人当たり120万円になった。
120万円になったことも ほとんどの三浦市民は知っていない。
三浦市の予算がどのように使われたか、具体的でなければ議論も不可能である。そもそも三浦市では24年度の予算報告書も市役所に行って2000円で買わなければ手に入らないのである。
小布施は折しも 花吹雪の頃。
桜の大木の下で小さな子供と遊ばせながらおしゃべりしている若いママ達に聞いた。
小布施の町はどうですか?
好きです。
生活しやすくて良い町ですよ。
冬は寒いけれど、その分ほかの季節が素晴らしいの。

夜は皆でピアノのある小さなバーでお酒を飲んだ。お酒を飲みながら三浦市のことを皆で語った。
帰る時、若いマスターが出口まで送ってくれた。
その時、私は言った。
昨年、神奈川県から来た私達は小布施に来てここでお酒飲みました。
あなたが川崎からUターンで小布施に戻ってきたと聞いた時、私は「どうして小布施に戻ってきたの?」って聞きました。
覚えていますか?あなたは「小布施は誇りの持てる町ですから」って答えたの。
だから、その意味を知りたくて私達はまた小布施に来たのです。
マスターはハッとした顔をした。
そうだったのですか そう言って笑った。
タクシーに乗り込んだ私たちに若いマスターは手を振った。
夜も 桜の花ははらはらと散り続ける。
桜の中を走りながらこれからの三浦を想う。