横浜にある三渓園の建物が一挙全公開となったので見に行った。
三渓園は生糸貿易で財を成した横浜の実業家、原三渓の元邸宅である。
三渓はこの広大な敷地の中に京都、鎌倉、岐阜白川郷から金に糸目を付けず移築した。
350年前の鎌倉の地蔵堂、紀州のお殿様の別荘、豊臣秀吉が建てた、寿塔の鞘堂、原さん好みのキンキラキンで妙に高い天井の数奇屋造り、白川郷から移築した堂々たる合掌造り....とおよそ脈絡も無く建物が森の中、大きな池のほとりに散在している。
大金持ちの原三渓さんのすばらしい道楽、いえコレクションだ。
まるで日本の建物のディズニーランドだった。
その中で良いなぁ、と思ったのがこの五右衛門風呂。
シンプルの極み。
無駄な装飾は一切無し。
熟練の左官屋が息を殺して真剣な目で鏝を滑らしている姿が目に浮かぶ。
左官研ぎ出しの柔らかな曲線の丸い浴槽がなんとも言えず可愛い。
温かな明るいベージュに釜とグレーチングの黒の美しさ。
ガラス窓の桟も洗練されている。
入ってみたいなぁこのお風呂。