このリフォームで試みたかったことの一つにリビングに寛げる場所が欲しかったこと。具体的に言うと私がゴロンと寝そべる場所が欲しかったのである。
今までのリビングダイニングは8.5畳だったのでダイニングテーブル、ピアノ、オーディオセット、電話台を置いたらかろうじて歩くスペースしか残らず 横になるなんて出来るはずは無かった。
かといって増築して部屋を広げて庭を潰すことはしたくなかった。もっとも壁を抜いて耐震力を弱めることは絶対に避けたかったし、漫然とただ広くしても居心地の良い部屋にはならない。狭さゆえの居心地よさもある。計画的に意図して居心地の良い空間、コーナーを作り上げることに尽きる。
私のリフォームでよくやる方法は窓があった場所をソファ分だけ広くするというやりかたである。それならば壁を抜くことなく部屋を広くすることが出来る。
ソファの両サイドは程よい広さのカウンターになってしかもカウンターの下はたっぷりした収納になる。
季節のクッション、ひざ掛けのブラケットなど嵩張る物が仕舞える。
カウンターの上には美しい明かりを灯そう。
ソファはcm単位のサイズでオーダーしてぴったりと収まるようにする。ソファの上には生地とお揃いの50cm角のクッションを置けばここはソファのために作った美しいコーナーになる。
天井にはLEDのダウンライトを配しソファに座って本を開くとそこに光が落ちるようにした。
このスペースはとても落ち着くとお客様には好評である。かまくらのように周りを囲まれた小スペースは心理学的にも安心感を与えて居心地が良くなる。
しかも ソファのサイズは窓一間幅の内寸166cm。私がごろんと横になって足を伸ばしてぴったりの嬉しい数字なのである。
ソファの足元にご注目。
実はこのコーナーは基礎屋との手違いがあって床の高さが10cmほどステージのように上ってしまった。
泣く泣くソファの四本の脚を取って置くことになる。
そこで ここに鏡を貼ったらどうですか とエンドウ君の提案があった。
それは素敵な提案だった。ここも鏡の魔法ね。光差す床がずーっとソファの奥まで伸びているように見えるでしょ?
フワッと船のように軽やかに浮かんでいるように見える私のお気に入りの場所である。