三浦三郎山で風の当たらない場所を探してカリントウとお茶で休憩。
スズキさんから気になっていた「狐の篝火」の話を詳しくお聞きする。
スズキさんはここで道に迷われたのでしょう?
そうです。何か三浦三郎の館の遺構など見つかるかなと探してみたのです。そうしたら道に迷ってしまって。
グルグルと同じ場所にたどり着く。三浦三郎がわざとこのような道を作ったのかと思いました。
どのくらい迷われたのですか?
パニックになっていたからよく分からないけれど一時間ぐらいでしょうか。運よくメジロを取りに来た人が来ました。
おーい、待ってくれー!と呼んで後を追ったけれど、その人はどんどん先へと逃げてゆく。でも元の道に出れました。本当に運が良かったのです。
その人も怖かったのでしょうね。
スズキさんの知り合いの方も迷われて消防団のお世話になったとか?その人ですよね、狐の篝火を見たのは。
そうです。夜になると、あちこちに灯がともって狐が手招きしてたそうですよ。
夜になって救助されたのですね?
いえ、2~3日迷っていたようですよ。
えっ!2~3日も! 一晩じゃないのですか?
そうですよ。
狐の篝火はポツンポツンと灯るのではないようです。あたりが一面明るくなるほどの光りだそうですよ。ここにはそのような話がたくさんあるのです。
もし、道に迷ったら、最後の手段、川沿いに海へ出る事。
スズキさんはそんな怖い話をしてから、では私はここで戻りますから、と言った。
ここから、道はまっ直ぐの下りですから。
スズキさんもお気をつけて‥‥
そう言って私達は別れた。
いよいよ二人だけ。
両側が切り立った細い尾根を強風の中梨沢大塚山へ向かう。
イノシシの足跡がいたるところにある。
こんなに細い尾根で出会ったら嫌だなぁ。
風の音がすごい。
やっぱり一人で来なくて良かった。