7時25分のケーブルカーは空いていた。
山に登る人々とモンブランを見る私達。
紺青の空の色、無音、無風の快晴でケーブルカー二つ乗り継いだ真っ白な世界は思いのほか暖かだった。
27年前の夏、初めて山の上に立った時凍えつく烈風に凍えたので今日はパジャマの上からジーパン、Tシャツマフラー、ダウンジャケットといういでたちは少々暑すぎた。
展望テラスでモンブランを取り巻くアルプスの山々を見る。
テラスから出て目の前に山々を見た時思った。
ここは神の座す場所。
ケーブルカーから降りた人々はアイゼン、命綱、ピッケルを身につけて輝く銀白の世界へ歩き始めた。
恐れ気も無く。