季節は急速に進み小網代の森は桜が散ってみるみると淡い緑に染まった。
もうすぐ山藤の紫が淡い緑に混じるだろう。
小網代の森が海になだれ込む所は小網代湾になっている。
浅い干潟のような湾が森に抱かれるように広がっている。
引き潮になるとここは歩いて対岸に行ける。
ほとんど人が来ない美しい場所だ。
都心から車で一時間ほどの所にこんなに美しい森と湾があるのは奇跡に思える。
美しい森と青い海は三浦の宝であり誇りである。
小網代湾に行ったのはのどかに晴れわたったた暖かな日だった。
ちょうど満ち潮で透き通った水が張り、湾の底の白い貝殻がきれいに見えた。
誰も乗っていない船が何故か浮かんでいる。
山桜の花びらを散らす暖かな風が気持ち良い。
スミレがたくさん咲いていた。
ここにはミサゴという子供だけにしか見えない野性的な美しい妖精が住んでいると「横浜買い物紀」という漫画に描いてあった。