かっちゃんのお母さんのサダコさんとハーレーの話をする時いつもハーレーに乗る人ってどんな人なのかしらね?という話題になる。
ハーレーに乗る人って独特の雰囲気があるわよね、年齢層も厚いし.....。
ハーレーに乗る人って優しい紳士なのよ!サダコさんはきっぱりと断言する。
私もそう思う。
今度の土曜日、またかっちゃんをハーレーに乗せるからね、とニイムラさんから聞いた時、かっちゃんのお父さんとお母さんと私の三人でハーレーの追っかけをすることにした。その朝エンジンの音を轟かせてやって来たハーレーはなんと三台だった!
こっちの赤いハーレーがコヤマちゃん、青いのがマッちゃん。
コヤマちゃんとマッちゃんだって。ニイムラさんの紹介がまたシンプルで良かった。
あごひげを生やしたマッちゃんはかっちゃんに親指を立てイェーイ!と言う。
思いがけない展開にかっちゃんはすっかり興奮している。
サダコさんの作ったお弁当を車に積み三台のハーレーに続いて三浦半島の先端へと出発する。運転はかっちゃんのお父さん、助手席にサダコさん。私は後ろの席でカメラマンだ。
良い天気!海岸を抜けて海の見える高台の畑、宮川の風力発電の風車の横を通って城ヶ島へ。二回目とあってかっちゃんは片手を振って余裕があった。
かっちゃんが参加したハーレーのツーリングを追っかけるなんてこんなことを誰が想像しただろう。
森を見下ろす私の事務所でサダコさんの作ったお弁当を皆で食べながらニイムラさん、マッちゃん、コヤマちゃんのハーレーの話を聞く。
テントを張ったハーレーのキャンプの愉快な話、交通事故に会った話.....。
ハーレーの男達のヤクルト早飲み競争って.....どんなの?
エ?!還暦前後の皆さんこんなお茶目なことやっているの?あっけにとられる話ばかり。年齢を重ねてもなおこんなに伸びやかな生き方もあったのだ。
ハーレートリオの話は私達をちょっとワルでイタズラっ子だった十代のあの楽しい時代に引き戻した。
ハーレーに乗る人はいたずらっ子の高校生みたいな人達?
いえいえ、少年時代の眼差しをそのままに何十年分の優しさを合わせ持った紳士達だった。
次の目標はかっちゃんを秋のハーレーのキャンプに連れてゆくこととなる。
別れ際サダコさんが言った。
安達さん、私もあのトリオのように兜と鎧を脱いでジーンズがいつまでも似合う私でありたいな。いくつになっても素のままの私でありたいな。
すっかり忘れていたみずみずしかった十代のあの頃を思い出させてくれた愉快な休日。
かっちゃんのおかげよ。ありがとう、かっちゃん。
ありがとう、ハーレートリオ。