いよいよメニュー選びとなる。
本当は①アンテパスト(前菜)②プリモピアット(一皿目)③セコンドピアット(二皿目)④コントルノ(付け合せ)の①②③から一つづつ順に選ぶらしいが(④はお好みで)まともに選んでいると死にそうなほどお腹がはちきれそうになる。だからたいてい私達は①は一皿、②は二皿づつ選ぶ。つまり合計三皿で一人分を二人で食べる。二枚お皿をもらって半分づつ分けて食べるのである。
まだイタリア旅行を始めたばかりの頃、ローマに着いたばかりの夜、気になっていたレストランへ行った。
あれこれと楽しみながらメニューを選んで、さてお皿が並び始めたらとたんに食べられなくなったのであった。
そのうち額に油汗が出てきて最後のセコンドは手をつけることが出来なかった。
12時間も飛行機に揺られて眠ることも出来ず疲れはてた体は食べ物を受け付けなかったことに気がついた。
今もお店の人に申し訳なかったと思っている。
それから無理はしないことにした。
最初は恥ずかしかったが、最近はイタリアの人達も形にとらわれず自由にメニューを選んでいるようだ。無理に皿数をたくさん注文して食べきれずに残してしまうほうが恥ずかしいし、何よりも作ってくれた店のコックさんに失礼で、ボーノ?(美味しい?)と覗き込むカメリエーレ(給仕してくれる人)をがっかりさせてしまう。
メニューは読みにくいイタリア語で書いてある。イタリアに旅行する前に旅行のガイドブックで一通り知識を身につけておけば気持ちが楽である。②プリモピアットはスパゲッティやリゾットなので割と選びやすい。
最後は是非エスプレッソで!せっかくイタリアに来たのですからアメリカンコーヒーは別の機会に。
それからドルチェ(デザート)はとても甘くて量も多いことがあるので私は最近はやめている。
お金を払ってお店を出たい時は「イルコント!」(お勘定を)と声をかけて請求書をもってきてもらう。レジなどは無いのでテーブルで支払うがカードの場合は最近暗証番号が必要になったのでレジらしきところまで行くことが多くなった。
お店を出る時はグラッツィエ!(ありがとう!)とにっこり笑って出るのがイタリア風。
日本の人はシャイなのか、何も言わずにそそくさと出て行ってしまうので見ていて残念だなぁ、と思う。せっかくイタリアに来たのだからイタリアの人達と仲良くしようよ。