今日トウモロコシが届いたの。一日でも早いほうが美味しいから、これから持って行くね!夕食後Mから電話があった。少しだけなのよ、そう言ってMと彼女の夫のPが四本の四本のトウモロコシを持ってきてくれた。四本のトウモロコシはしっとりと重かった。
私と夫は「お茶を一緒に飲みましょう」とMとPに上がってもらった。
どうぞ、どうぞ、奥の座敷へ!
我が家の奥の座敷とは、小さな家を通り抜けた庭だった。
電気を消して、月の光の中で私達はお茶を飲んだ。
幸せって、何だろう、私達は中学生みたいにそんな話をした。
Rから電話があったので、あなたもお茶に来ない?と誘った。
Rはすぐ来てくれた。
明るすぎるほどの月の光の中で五人は色々な話をした。
二本のトウモロコシをRにあげた。
私の幸せは
四本のトウモロコシをもらう幸せ
二本のトウモロコシをあげる幸せ
月を見ながら幸福論を語る幸せ
それから一か月たってまた満月の夜が巡ってきた。
夫と私は琴音海岸へ出て月を見た。
海の上の光の道を
大勢の人たちが、やってくるような気がして
そんな気がして、ずーっと海を見つめていた。
祭りのように にぎやかに …