健康になろう、と決めた2016年。
歩くことにする。
出来れば毎日。無理なら週三日は。
私の事務所は小網代の森の縁にある。
この森を歩く。
事務所から出発して一回りすると一時間。8000歩である。
森を歩くのは日暮れ時が素敵だ。
誰もいない。
引橋から森の中へ入る階段を100段降りると引橋の方から聞こえる車の騒音が次第に消え、ねぐらに集まる小鳥たちのざわめきがそれに代わる。
木を揺らす風の音。
夕日に向かって森の中を歩く。
美しい森の中をたった一人で歩く贅沢。
森は次第に暗くなって
薔薇色の空の中に 現れる
潔い木のシルエット
残照を受けて 黄金色に燃えたつ枯れたススキのやわらかな穂
自分の 足で森の中を 毎日歩く幸せ
森から出て 高台に上がれば
薔薇の降りしきる 透き通った空に富士山の薄紅
今日の私の一日も終わる
珠玉のような一日だった と思いながら私も鳥のように家へ帰る
体を悪くしなければ
森の中を
毎日歩こうと 私は思わなかっただろう