中秋の名月。
満月の夜は琴音海岸で会おうね。
チナツちゃんと海の音と約束していた。
チナツちゃんと私は砂浜に寝転んで波の音を聞きながら月の光を浴びていろいろな話をした。
これからの夢を。
海の音とアダムは波打ち際で遊んでいる。
海の音と初めて会ったのは、七年前。
彼が5歳の時だった。
三浦道寸を追いかける私に、彼はいつも私についてきた。
私に手を差し述べた小さな手は、いつの間にか私の手を包むほど大きくなって、彼は私の背を追い抜いた。
私の小さなボーイフレンドだった 海の音は
月の光の中で
背の高い少年のシルエットとなった
今、彼は岩のに立つ
銀色の海の彼方を見つめて